毛周期とムダ毛の脱毛方法|毛が生える仕組みと構造

脱毛の知識
さくら先生
さくら先生

こんにちは。今日は毛周期についてお話ししていきます。

女性にとって、永遠の課題であるムダ毛の処理。対策法として知られる「脱毛」には、毛が生える仕組みと生え変わりのサイクル「毛周期(もうしゅうき)」が深く関わっています。

このページでは、毛が生える仕組み・構造や毛周期と、ムダ毛の脱毛方法との関係をまとめました。

脱毛に通うとなぜムダ毛が生えてこなくなるのか、ご自身でも事前に知識を入れておき、後悔しない脱毛を目指しましょう!

毛の構造と役割

脱毛に通うと、なぜ毛が生えなくなったり、弱ったり、薄くなったりするのでしょうか。

脱毛前のカウンセリング時には、クリニックや脱毛サロンから発毛の仕組みと共に説明があるはずですが、ぜひご自身でも事前に仕組みを理解しておきましょう!

毛は何のために生えているの?

「ムダ毛」と呼ばれる体毛は、無駄、邪魔、美しくない…とネガティブなイメージが先行してしまいがちですが、実は役に立っている面もあります。

身体には毛髪、まつ毛、眉毛、わき毛など各部位に毛が生えていますね。この体毛は、医学的に3つの種類に分類することができます。

①両性性毛思春期に産毛から硬毛に変化する体毛→わき毛、陰毛下部
②男性毛男性ホルモンの影響を強く受ける体毛→ひげ、胸毛、陰毛上部、頭髪の前頭/頭頂部
③非性毛思春期や男性ホルモンの影響を受けない体毛→眉毛、まつ毛、手足の毛
※成長ホルモンや甲状腺ホルモンの影響は受ける

私たちの体毛は、ホルモンの影響を大きく受けて機能しています。

ホルモンの分泌は肉体や精神状態とも密接にかかわっているため、体質の変化や疾患などで後天的に毛の質や量が変化することも珍しくありません 1)

体毛が何のために生えているのかについては科学的に立証することができないものの、自然科学的な知見では、体温や湿度調節、身体の保護、感覚器として、「男女を見分けやすくするため」「個人の印象の違いを表すため」といった定説が広く浸透しています 2) 3)

一見不要でムダと思いがちな毛も、役割があり存在しています。脱毛後に肌が乾燥しやすくなったり、汗の量の増加を感じたりする方がいらっしゃるのもこのためと考えられます。

毛の構造

皮膚から見えている毛は、毛幹(もうかん)と呼ばれる一部分。毛幹より下部を「毛根(もうこん)」と呼びます。

脱毛でアプローチするのはこの「毛根(もうこん)」部分で、毛根の最下部には毛球(もうきゅう)があり、毛球部分は毛乳頭(もうにゅうとう)を取り囲む形で毛細血管とつながっています。

毛乳頭には、毛が成長するためにはたらく細胞が存在し、これを「毛母細胞(もうぼさいぼう)」といいます 3)

また、毛球にはメラノサイトと呼ばれる色素細胞があり、メラノサイトがメラニン色素をつくりだし、取り込むことによって毛に色がついていくと考えられています 4)

脱毛に使用するレーザーや光は、この「メラニン色素」に反応させて効果を出すしくみです。

人によって毛の濃さが違うのはなぜ?

体毛の濃さに個人差があるのは、遺伝的要因とホルモンの分泌が大きく影響しているとされています 1)

家系、男女、年齢によって毛のはえ方や濃さ(毛の太さや量)にちがいがあるのはこのためです。

また、妊娠や体調や精神的な要因、薬の副作用によるホルモン分泌の乱れによって、毛の量が増える、毛が濃くなるケースもあります 5)

ムダ毛が生える仕組みと毛周期

毛抜きでムダ毛を抜いても数日後すぐに毛が生えてきたり、髪の毛はずっと伸び続けたりするのに、まつ毛や眉毛は一定の長さまでしか伸びません。

これには、毛が生える仕組み毛周期が深く関わっています。

ムダ毛が生えてくる仕組み

毛根にある毛乳頭で、毛母細胞は毛細血管から栄養をうけ、細胞分裂をくり返していきます。

細胞分裂をくり返すことで毛本体がつくられていき、どんどん上に押し上げられ、水分を失って角化しながらのびていく、これが、毛が生える仕組みです 4)

毛が生える(伸びる)には、毛乳頭の存在が必要不可欠です。毛抜きで毛を抜いてもまた生えてくるのは、毛穴に毛乳頭が残っていて、毛母細胞がはたらいて新たな毛根をつくり出しているからです。

毛には「毛周期(もうしゅうき)」がある

毛はずっと伸びつづけるわけではなく、一定期間伸びた後に抜け落ちて毛根を休ませる期間があり、また新たに毛が生えてきます。

この毛の生え変わりのサイクルを、「毛周期(もうしゅうき)」といいます。

毛の1本1本にはそれぞれ毛周期が存在し、生え方や生える時期がそれぞれ異なります。

毛周期

毛周期のサイクル

①成長期毛が成長し伸びる期間。細い産毛が生えて毛がふとくなると最盛期を迎えます。
成長期は成長前期/後期、前期成長期/中期成長期/後期成長期などに分類されることもあります。

脱毛に使用するレーザーや光は、成長期の毛に反応します。
②退行期毛根の活動が終わり、毛がだんだん衰えていく期間です。
③休止期毛が抜けて、毛穴を休ませる期間に入ります。
この時期には毛は生えず成長もしません。目に見えない毛の多くは休止期にあたります。

目に見えない毛は、毛穴の中で産毛の状態だったり、まだ毛根が育っていなかったり、毛穴を休ませたりしています。

どれくらいの毛が皮膚の中に埋まっているのかは個人差があるため一概には言えませんが、一般的な目安としては、実際に表面に見えている毛の割合はワキで30%、腕で15%、下半身で20%程度だと言われています。

つまり、私たちの皮膚に表出している毛はほんの一部であり、大部分の毛は皮膚の下に埋まったままでただ見えないだけ、というわけです。

ムダ毛にレーザーや光をあてて、脱毛効果が期待できるのはこのうち「成長期」の毛のみ。そのため、一度脱毛に通っただけでは終わらず、一般的には5~8回脱毛クリニックへ通うこととなります。

(エステサロン脱毛の場合はパワーが弱いため、効果実感までに12回~24回程度の照射回数が必要です)

毛周期の期間は各部位、個人によっても差があるとされていますが、一般的には次のとおりです。

一般的な毛周期の期間

部位成長期休止期
毛髪2年~6年3~4ヵ月
顔/ヒゲなど4ヵ月~1年2~3ヵ月
ワキ4ヵ月3ヵ月
3~4ヵ月4~5ヵ月
4ヵ月6ヵ月
陰毛1~2年1~1年半

髪の毛は伸び続けるのにムダ毛は伸びるのが止まってるように感じるのは、ムダ毛の伸びが止まったわけではありません。

一定期間伸びると休止期になり毛が抜けているため、伸びていないように感じているだけなのです。

ワキ毛や足の毛を毛抜きで抜いてもすぐまた生えてくるように感じるのは、抜いた毛穴から毛が生えていているわけではなく、休止期が終わって成長期に入った別の毛が生えてきているためです。

毛抜きで毛周期が乱れるって本当?

毛を抜くと、人工的に休止期を作り出してしまうことになるので、「毛抜きで毛周期が乱れる」 というのは事実と言えます。

光やレーザーを用いた脱毛は、間を詰めて何度も通えば早く毛がなくなるわけではなく、毛周期を考えながら通います。

人工的に毛周期を乱してしまうと正しい脱毛効果が得られなくなってしまう要因になるため、脱毛に通っているあいだは、毛抜きは厳禁です。

毛周期は、栄養状態や年齢・季節にも左右されます。毛周期の乱れを起こさないためには、毛抜きを行わない他にも適切な栄養を摂取する、ストレスを溜めない、といった自己管理も大切です。

ムダ毛の脱毛・処理方法

ムダ毛の処理方法にはいくつか種類があり、効果期間、施術時間なども大きく異なります。ここでは、現在一般的に用いられている主な脱毛方法を紹介します。

カミソリ

カミソリやシェーバーを用いて、皮膚の上に生えている毛幹部分を削ぎ落とす方法です。

手軽で安価にできるムダ毛の処理方法ですが、毛幹を削ぐだけなので、すぐに毛が目立ってしまいます。

毛と同時に皮膚の表面まで削いでしまい、皮膚の炎症や色素沈着を起こす恐れがあるため、専用のフォームを使用し必ず保湿を行いましょう 7)

毛抜き

ピンセットや脱毛器を使用し、毛根からムダ毛を引き抜く方法です。

一度引き抜いた毛は休止期になるため、新たに生えてくるまでは数か月程度かかります。また、毛抜きは痛みを伴い、毛根を痛めてしまう可能性も高いムダ毛の処理方法です。

炎症が起こると色素沈着や埋没毛、毛嚢炎(もうのうえん)を招いてしまうこともあり、肌荒れの原因になることが報告されています 9)

毛抜きは多くの専門家が”おすすめできない自己処理方法”としていますので、行う際は毛穴に雑菌が入らないようにする、アフターケアをして肌の負担を軽減するなど、正しい方法で行うようにしましょう。

で毛根は死ぬ」「毛抜きを使うと毛が生えてこなくなる」などの毛抜き脱毛に関する都市伝説の真偽について解説しました。

除毛クリーム

除毛クリームは、化学成分を皮膚表面に塗布し、毛幹部分を溶かして取り除きます。カミソリと同様に一時的な脱毛方法です。

刃物を使用せず脱毛できるものの、毛幹部分を除去するだけなので数日後には毛が目立つようになります。

手軽にムダ毛の処理ができて人気がある方法ですが、薬剤が原因で肌荒れを起こしてしまうケースがあるため、頻繁に使用する際や肌の弱い方は注意が必要です 8)

針脱毛・ニードル脱毛

針脱毛・ニード脱毛とは、細い針を毛穴に直接挿入し、電気を流すことで毛母細胞や毛乳頭ごと焼却する医療機関のみが行える脱毛方法です。

発毛細胞を根本から消滅させるため、毛が再生することはなく、脱毛効果は永久に持続します。

絶縁針を使用するため皮膚の表面を焼くことはなく、確実に1本1本処理することができ、白髪や産毛、休止期の毛穴にも効果があります。

痛みを伴う、施術時間やかかる、高度な技術を要するといった懸念材料も存在する 8) 9) 10)ため、最近ではあまり選ばれなくなってきています。

一方で、医療レーザー脱毛後に数本残った毛を処理する目的では、良い脱毛方法です。

医療レーザー脱毛(クリニックでの脱毛)

医療レーザー脱毛は強力なレーザー光線を毛根部に照射して行う脱毛方法です。

こちらも針脱毛と同じく永久脱毛(最終脱毛をしてから1カ月後の毛の再生率が20%以下)が可能ですが、毛乳頭を破壊する行為になるため医師法が適用され、医師や看護師が在籍する医療機関のみが行える脱毛施術となります。

レーザー光線は、メラニン色素に吸収され、化学作用を引き起こし毛乳頭を破壊することで脱毛を行います。

レーザーは一度に広範囲の毛穴に働きかけることができますが、メラニン色素に反応して化学反応を起こすため、色素が薄い毛や白髪、産毛は満足な効果が得られないことがあります。

また、硬毛化が起こる例が稀に報告されています 8) 10) 11)

光脱毛(エステサロンでの脱毛)

光脱毛では、毛根のメラニンに光を反応させてムダ毛の制毛・抑毛・減毛を目指します。

医療レーザーとの違いは、エネルギーの大きさです。光脱毛は医療レーザーよりも弱い出力で行うため、医師免許を持たないエステサロンで受けられます。

出力が弱いため痛みは少ないものの、毛乳頭を破壊するまでには至りません。永久脱毛ではなく、あくまで毛乳頭を弱らせるにとどまり、一時的な抑毛や減毛効果を期待するものです 8) 10)

ワックス脱毛(ブラジリアンワックス)

ワックス脱毛(ブラジリアンワックス)とは、はちみつや松ヤニといった成分を含むワックスでムダ毛を吸着し、ワックスを剥がすことでムダ毛を根元から引き抜く脱毛方法です。

産毛まで処理することができるため、肌がなめらかになる点や、毛抜きやシェーバーが届かない粘膜周りも処理しやすい点がメリットとして挙げられます。

ただし、ワックスを剥がす際に痛みや炎症を伴うことがあるため肌トラブルに繋がりやすいデメリットもあります。

また、脱毛効果はあくまでも一次的なため、繰り返しし続けなければならず、肌に負担がかかりやすくなります 8)

「毛を剃ると濃くなる」は本当?

「毛を剃ると濃くなる」という噂は昔からありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

「毛を剃ると濃くなる」に科学的根拠は存在しない

結論からお話すると、「毛を剃ったら毛が濃くなった」に科学的根拠はありません。

1928年に行われた臨床実験では毛は剃っても濃くならないことが証明されており、1970年には日本でも同様の実験が行われ、毛は剃ったとしても、その後の濃さや生えるスピードに差異はないということが証明されています。

毛を剃った際に濃く感じる理由としては、毛を剃ることで細くなっている毛先がなくなり、剃った断面が強調されることから太くなった『ように見える』のではないかと考えられています 12) 13)

医療レーザー治療の際には「硬毛化」するケースがある

毛は剃っても濃くなりはしませんが、光脱毛や医療レーザーで脱毛を行う際には数%の割合で脱毛以前よりも毛が太くなってしまう「硬毛化(こうもうか)」が起こる場合があります。

硬毛化は背中や上腕、フェイスラインなど毛が細く多方向から生えているかつ密集地に多くみられます(メラニンが少ないため、レーザーが反応しにくい部位)。

はっきりとした原因は突き止められていないものの、本来は毛乳頭を弱らせたり破壊したりする目的のはずが、レーザーのエネルギーが中途半端に伝わることで、かえって発毛組織が活性化してしまうためではないかという仮説が立てらています。

硬毛化してしまった毛は、再度レーザーを照射し解消を目指します。また、万が一レーザーでの脱毛が出来なかった場合には、毛穴に直接働きかける針脱毛が選択されます。

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